社会人に必要なコミュニケーション「目的・種類・学生時代との違い」とは?
こんなことをお感じになったことはありませんか?
- 「社会人になったら、どんなコミュニケーションが求められるの?」
- 「上司や先輩との会話や言葉遣いは、どうしたら良いの?今の自分で大丈夫?」
- 「憧れの先輩のようなコミュニケーションを取るためには?」
もしもあなたが社会人になりたて、あるいは内定者や就活中である場合、上記のように「社会人のコミュニケーション」について、興味や関心、不安を感じているかもしれませんね。
学生時代に比べ、社会人のコミュニケーションには違いがあります。この点は、すでに社会人として働き始めている方は、お気づきかもしれません。
実は社会人のコミュニケーションには、「結果を出す」と「関わるすべての人と、良好な関係を築く」という目的があります。
そのために、まずは身につけたいのが下記4つのコミュニケーションです。
- 信頼関係を築く
- 相手を理解する/要望を正確に理解する
- わかりやすく、受け取りやすいメッセージを伝える
- 相手の反応を見て、柔軟に会話する
これらは「お客様の信頼を得る」「チームで協力し合う」ために必要です。
難しそうに感じますか?
もしそうだとしても安心してください。
練習すれば、誰でもコミュニケーション能力を高めることができます。そのために、「社会で求められるコミュニケーション」「4種類のコミュニケーション」について具体的にご紹介します。それでは一緒に見ていきましょう。
1.社会人に必要とされるコミュニケーションとは?目的と学生時代との違い
社会人のコミュニケーションでは、「結果を出す」「関わるすべての人と、良好な関係を築く」ことが求められます。つまり目的があるということですね。
なぜならば、企業活動のベースとなる
- ・商品を販売し、会社の利益を上げる
- ・お客さまに価値を提供し、喜んでいただく
という2点は、コミュニケーションを通して実現できるためです。
それは、営業やマーケティング、カスタマー、経理など、どのような部署であっても同じです。与えられた役割の中で「結果を出す」ことが求められるということです。
こうした結果を出すために、社会人になったら、まずは押さえたいのが「4種類のコミュニケーション」です。
【4種類のコミュニケーション】
- ・信頼関係を築く
- ・相手を理解する/要望を正確に理解する
- ・わかりやすく、受け取りやすいメッセージを伝える
- ・相手の反応を見て、柔軟に会話する
これらは社会人のコミュニケーションにおける基本であり、仕事ができる上司や先輩ほど、書籍や講座などで学んでいます。その結果として、より高い成果を出し、周囲からの信頼や評価を得ているのです。
※「4種類のコミュニケーション」について詳しくは、2章にまとめています。
※補足 :社会人と学生におけるコミュニケーションの違い
社会人と学生時代のコミュニケーションには明確な違いがあります。違いを知ることで、コミュニケーションのとり方が変わります。ご参考にしてくださいね。
【学生と社会人におけるコミュニケーションの違い】
- ・目的がある
- ・利害関係がある
- ・信頼/信用がベースにある
- ・WIN WINが求められる
- ・責任が生じる
- ・上下関係にシビア
- ・横のつながりも大事
- ・関係者が多い
- ・様々な立場や性格、目的を持つ人との関わり
- ・個人だけではなくチームで動く
2.社会人に必要な4種類のコミュニケーション
この章では4種類のコミュニケーションについてご紹介しています。
2-1.信頼関係を築く
社会人における「コミュニケーションの大前提は、信頼関係を築く」ことです。
社内でも、社外でも、まずは信頼を得ましょう。人は信頼した相手に対して、心を開き、好意的になります。そうすることでコミュニケーションが円滑になり、仕事で成果を出しやすい状態になります。
例えば、
- ・良好な人間関係を築ける人
- ・周囲から応援・協力される方
- ・お客様から「話を聞きたい」「あなたから買いたい」と言われる営業
- ・アイデアや提案に耳を傾けてもらえる方
これらに共通するのは、相手からの信頼を得ていることです。つまり信頼度を高めるほど、仕事で結果を出しやすくなり、評価が高まります。
まずは、下記画像の②「あなたが言うなら、受け入れる」の状態を作りましょう。
ここからは信頼関係を築く2種類の方法をご紹介します。
1.長期的に築く方法
相手と、どのように関わるかで、相手に与える印象が変わります。
例えば、
- ・時間を守る
- ・約束を守る
- ・身だしなみがきちんとしている
- ・気持ちのよい挨拶ができる
- ・その場に合った立ち振舞いができる
など
できて当たり前のちょっとしたことです。それでも積み重なれば、「しっかりしている」「信頼できる」という評価につながります。
2.信頼関係を築くコミュニケーション
信頼関係を築くコミュニケーションをご存知でしょうか?
「人は共通点をもつ人/自分に似たものに対して、親近感、安心感を抱く」という心の動きがあります。心理学でいう「類似性の法則」です。こうした心の動きに沿ったコミュニケーションにより、短時間で信頼を得やすくなります。
具体的な方法は、「心の動きに沿ったコミュニケーション」に詳しい、心理学NLPからご紹介します。
1.話し方を合わせる |
話し方や声の出し方を合わせましょう。 【合わせるポイント】
など 心理学NLPでは「ペーシング」と呼ばれています。 |
2.姿勢を合わせる |
姿勢や体の動きを合わせましょう。無意識レベルで、相手の警戒心をとり、安心感や親近感をつくり出せます。 【合わせるポイント】
など 心理学NLPでは「ミラーリング」と呼ばれています。効果的ですが、露骨に合わせすぎると、相手は「あれ、真似をされている」と違和感を抱きます。あくまで、さりげなくやるのがポイントです。 |
3.使う言葉を合わせる |
「相手の使う言葉」に合わせて会話しましょう。さらに相手の使う言葉を使い、話を繰り返します。それにより相手は、「話を聞いてもらえている」と嬉しくなり、「そうそう、そうなの」と肯定的な反応を返してくれます。 【繰り返すポイント】
※時折要約して繰り返すのもポイントです。 心理学NLPでは「バックトラッキング」と呼ばれています。 |
2-2.相手を理解する/要望を正確に理解する
「相手を理解すること」「要望を正確に理解すること」も、社会人におけるコミュニケーションにおいて、とても大事なことです。
結果を出す人ほど、お客さまやチームメンバーのことをよく理解しています。
なぜならば、相手にとってベストな提案や意思疎通、円滑な仕事は、理解からはじまるためです。理解不足は、コミュニケーションミスを生むため、注意が必要です。
具体的に見ていきましょう。
1.相手を理解する |
人は「自分を理解してくれる」相手に対して、心を開き、信頼を寄せます。そして理解することで、下記につながります。
まずは「理解しよう」という意識や姿勢から始めましょう。そういう姿勢は相手に伝わり、好意的な印象を持たれます。 |
2.要望を正確に理解する |
相手にとってベストな提案、満足する結果、期待以上の仕事は、「相手の要望を正確に理解する」ことから始まります。 それにより下記が可能になります。
仕事の成果やパフォーマンスに直結するため、非常に大切な力です。 |
以上のような、相手や要望の理解のために役立つのが「傾聴」です。
傾聴とは、「聴く」ことを中心にしたコミュニケーションスキルで、仕事ができる人ほど大事にしています。
【傾聴のポイント】
- ・とにかく話を聞く(話の7・8割は相手が話している状態)
- ・話をそのまま受け止める
- ・質問を交えて、具体的に聴く
- ・頷きや相槌を入れる
- ・話を遮らない/自分の意見は脇に置く
※相手の要望を正確に受け取れない人ほど、自分の主観や思い込みを交えて聞きがちです。もしも「自分のことかも」と思いあたる方は、「言葉そのまま」を受け取る練習がオススメです。
2-3.わかりやすく、受け取りやすいメッセージを伝える
相手にとって「わかりやすく伝える」「受け取りやすく伝える」ことはコミュニケーションの基本です。特に社会人においては、仕事の成果に直結するため、常に磨いておきたいところです。
なぜなら「わかりにくいメッセージ」は、意思疎通を妨げ、仕事のミスにつながります。また、「受け取りにくいメッセージ」は、相手のストレスになったり、誤解を生むことも。
それでは具体的に見ていきましょう。
1.わかりやすく伝える |
わかりやすいメッセージは、意思疎通をスムーズにします。 「利害関係」や「時間の制約がある」社会人のコミュニケーションにおいて、どれだけわかりやすく、ポイントを伝えられるかは、常に重要なテーマです。 【わかりにくい場合に起きること】 例えば、
など 【わかりやすく伝えるポイント】
など |
2.受け取りやすく伝える |
メッセージは、相手に受け取ってもらえて、はじめて意味を持ちます。 大事なことをわかりやすく伝えても、「相手の受け取る準備」が整っていないと、受け取ってもらえないこともあります。 【メッセージを受け取りにくいケース】 例えば、
など これらは、相手に「受け取るための準備を提供できていない」状態といえます。 【受け取りやすい状態をつくるポイント】 例えば、
など 相手は今、「メッセージを受け取りやすい状態か?」と確認した上で、コミュニケーションをとりましょう。 |
2-4.相手の反応を見て、柔軟に会話する
相手の反応を確認しながら、柔軟なコミュニケーションをとりましょう。
言葉や表情、目、声の変化など、反応を見ることで、
- ・相手にメッセージが伝わっているか
- ・メッセージを受け取れているか
- ・不満や不安がないか
などを察することができます。
あとは、反応に合わせて「よりわかりやすく伝える」など、柔軟にコミュニケーションをとりましょう。
相手の反応を見る方法は2種類です。
- 1.言葉から察する方法
- 2.非言語から察する方法
※非言語とは、表情や目、話し方、声、姿勢、ジェスチャーなど、言葉以外のことを指します。
ここでは、人によっては聞き慣れない「非言語」から察する方法をご紹介します。
例えば、以下の絵を見たときにどのように感じるでしょうか?
同じ言葉を話していても、
- ・表情や顔色
- ・話し方
- ・声のトーンや抑揚
- ・身振り手振り
- ・しぐさ
など
非言語情報から、相手が今、「どんな気持ちか」「納得しているか」などを想像でき、理解を深めることができます。
また、言葉では「大丈夫です。理解しました」と言いながら、渋い表情をしていたら、理解不足や納得していない可能性があります。このように非言語を使ってコミュニケーションをとることができます。
2005年に発売された『人は見た目が9割』という本が190万部を超える大ベストセラーになりました。ここで言われているのは、容姿の善し悪しの話ではなく、しぐさや表情、服装など、「非言語」から伝わる情報が非常に大きいということ。
非言語の影響については、「メラビアンの法則」でも紹介され、以下の比率でコミュニケーションに影響を与えていると言われています。
- 言葉遣い 7%
- 声の調子 38%
- 表情も含むボディランゲージ 55%
そしてもし、相手に伝わっていないとわかれば、相手がわかりやすいように、コミュニケーションのとり方を変えることができます。
こうした柔軟性は、社会人のコミュニケーションにおいて、自分を助け、相手にとって優しいコミュニケーションをとる力となります。
- ※出典・参照元:人は見た目が9割 ,竹内 一郎(著),新潮新書
3.社会人で必要な「コミュニケーション能力」を高める3つの方法
この章では、社会人として「コミュニケーション能力を高める」方法をご紹介します。
もしも今、自分のコミュニケーション能力に満足していないとしたら、方法は何でも大丈夫です。まずは何かを学び、試すことから始めましょう。
コミュニケーション能力を高めることは、身体(筋力)を鍛えるようなものです。学びと実践を積み重ねることで、自然と使えるようになり、どんどん洗練されていきます。
3-1.コミュニケーションが上手な人を徹底的に真似る
あなたの周りでコミュニケーション能力が高いと感じる方はいますか?
「話がわかりやすい」「説得力がある」「面白い」…など。そう感じる方がいたら、その方をお手本にして、徹底的に真似てみましょう。
ポイントは、徹底的に真似ること。これがスキルアップの近道になります。
ダウンタウンの松本人志さんも、面白いと思う芸人の笑いのパターンを徹底的に分析し、丸暗記できるほど研究していたそう。「天才」と呼ばれる人も、お手本を真似るところからスタートしています。
例えば
- ・話すときの目の動き、姿勢、ジェスチャーはどうか
- ・声の高さ、テンポ、口調はどうか
- ・話の構成がどうなっているのか
- ・どんなことを話題にすることが多いか
- ・背景として、どのような考えを持っているのか
- ・相手に対して、どんなメールや電話をしているのか
- ・どんなタイミングで声をかけているのか
など
身近なお手本を真似ることが、スキルアップの近道です。もし本人に直接話ができれば、アドバイスをもらってもよいでしょう。
3-2.テーマを決めて徹底的に実践する
徹底的に実践し、繰り返し、意識しなくとも使えるようにできるのが理想です。
コミュニケーション能力を高めることは、筋トレと同じです。練習や実践をすることで、より良いものにしていけます。
ただ、数あるコミュニケーションスキルをいっぺんに身につけるのは大変です。できればテーマを絞って、集中し、1テーマずつ実践していくとよいでしょう。
例えば、
- ・今週1週間は、「相手の会話のペースに合わせることを意識する」
- ・その次の週は、「同じネタを10人に話して、最も伝わる話し方を研究する」
など。
1つずつ確実に身に付けていくことが、社会人におけるコミュニケーション能力を高める近道です。
3-3.コミュニケーション講座や書籍で学ぶ
自分のコミュニケーション能力に満足していない、自信がないという方は、基本をしっかり身に付けましょう。一度身に付けることができれば、一生使えます。
コミュニケーションに関する書籍や講座では、良質な情報やスキルを学べます。
その中でも、短期間で、いち早く、コミュニケーション能力を高めたい方は、講座を活用するのは、最も効率の良い方法の1つです。
なぜなら、
- ・人の心理や心の動き
- ・信頼関係を築く方法
- ・人を動かす方法
- ・効果的なコミュニケーションスキル
- ・コミュニケーションが上手くいく理由/上手くいかない理由
などを学べるからです。
さらに書籍では得られない体系的な学があり、講師へ質問をできます。
人の心理を理解し、「信頼関係を築き」「人を動かす」上で欠かせないコミュニケーションスキルを正しく学ぶには、こちらの講座が役立ちます。
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(主催・認定:日本コミュニケーション能力認定協会/監修:日本教育推進財団)
まとめ
この記事では、社会人のコミュニケーションについてご紹介しました。
- ・社会人のコミュニケーション2つの目的
- ・学生時代との違い
- ・4種類のコミュニケーション
- ・コミュニケーション能力の高め方
特に、「4種類のコミュニケーション」は、しっかり身につければ、今後の社会人生活で、「出せる結果」「周囲からの信頼」「会社からの評価」に違いが出ます。
- ・信頼関係を築く
- ・相手を理解する/要望を正確に理解する
- ・わかりやすく、受け取りやすいメッセージを伝える
- ・相手の反応を見て、柔軟に会話する
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しく思います。
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