【社会人必見!】読解力を鍛えて魅力的な大人になるための5つの方法
「読解力」
学生のときによく聞いたワードですが、
社会人になって改めて、読解力の大切さに
気づいた方も多いのではないのでしょうか。
そのとおりです。
読解力は社会に出た大人に、
必須の能力の一つです。
読解力が十分に身についていれば
社会で活躍できる一方で、
読解力に課題があると
どこか話が噛み合わなかったり、
言われた通りに行動できなかったりと
仕事でもプライベートでも、
問題が発生してしまいます。
この記事では、
社会人に読解力が必要な理由と
読解力を鍛えていくための
方法をご紹介します。
1.読解力の定義と読解力に含まれる6つの要素
読解力と聞いて、具体的にどんな力か、パッと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
読解力についてお話を進める前に、まずは読解力の定義や要素について確認してみましょう。
1-1.読解力とは?
読解力とは、一言で表すと「文章を読み、内容を正しく理解する力」です。
読解力は学校現場で重要視されている力で、国語の授業だけでなく全ての教科で読解力を伸ばせるように、カリキュラムが改定され日々研究されています。
そして、より細かく、広い意味で読解力を捉えると、文章を読んで正しく理解する以上の能力が含まれています。
世界の15歳の学力を測る「PISA」という調査では、
「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3つの能力を重点と位置づけ、総合的に計測しています。
そのPISAにおける読解力の定義は下記の通りです。
【PISAにおける読解力の定義】
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力。
引用元:文部科学省 PISA(読解力)の結果分析と改善の方向(要旨)
文章を読んで正しく理解することは読解力の基本です。
そして、実際の能力としては、読んで理解した内容を知って終わるのではありません。
文章から得た内容を活用して、新たなアクションを起こしたり次の思考に繋げたり、コミュニケーションをとる材料にするところまで求められているのです。
1-2.読解力を構成する6つの重要な要素とは?
先にお伝えした読解力の定義からも分かる通り、読解力はただ文章を読む力ではなく、他の能力も絡み合った複合的な力といえます。
では、具体的にどのような能力が読解力を構成しているのか解説していきます。
・文章を正しく理解する力
まずは、最もイメージのしやすい、かつ読解力の土台となる「文章を正しく理解する力」です。
文章を正しく理解できなければ、相手の言いたいことを受け取ることができません。
物語や説明文に関わらず、
- メールや契約書
- WEB上の文章
- 街中のちょっとした文字案内
など、身の回りのあらゆる文章を読み、言葉や各文の意味を正しく受け取ることが「文章を正しく理解する力」にあたります。
読解力の最も土台になる力で、一見簡単そうに思えるのですが、少し油断すると、文章を読み違えることや解釈を誤ってしまうことは、大人でもよく起こることです。
例えば、最近はセンセーショナルな見出しを打つことで閲覧数を増やそうとするネット記事が散見されています。
しかし、中をじっくり読んでみると見出しほど大げさな内容ではなかった、という経験もあるのではないでしょうか。
そして、その見出しの部分やSNSの過激な発言だけを切り取り、文脈を無視して解釈した人が拡散することで、
またたく間に切り取られた情報だけが広がり、炎上してしまうというケースもあります。
そのような炎上している投稿の元を辿ってよく読んでみると、何かしらの正当な意図を持ってその言葉を選んでいるという場合があるため、
私たちは受け取った言葉だけに引っ張られず、内容を正しく捉える必要があります。
このように、日常の中では知らず知らずのうちに内容を正しく受け取らないまま見過ごしている文章が意外と多くあります。
このような身近な文章を正しく読んで内容を理解することは特に必要な能力となっています。
・知識/語彙力
知識や語彙力も読解力に含まれる要素です。
なぜならば、知識や語彙が不足していると、その文章のニュアンスや背景となる部分が正しく理解できなくなるからです。
例えば、「同じ雨が降っている」ことを表す語彙でも、「小雨」「暴風雨」「夕立」など、様々な表現ができます。
それぞれを「詳しくわからないけれど雨が降っているらしい」と捉えるのと、
「このくらいの強さの雨が降っているんだな」と捉えるのとでは、同じ言葉から受け取る情報に差があることがわかります。
そして、細かな情報までキャッチできれば
「傘を持っていこう」
「いや、風もあるなら今日はカッパにしよう」
といった、行動の選択につなげることもできます。
また、同じ文章を読む場合でも、その内容に対する前提知識がある場合とない場合では、理解度に差が出ることがあります。
特に、専門的な文章を読む場合には、その分野ならではの専門用語や、独自の意味で使われる言葉があり、
ここの前提知識がないまま文章を読み始めると、言っていることがわからない、ということに繋がりかねません。
それだけ、知識や語彙は、読解力を支える重要な要素ということがわかります。
・ものごとの本質を見極める力
3つ目は、「ものごとの本質を見極める力」です。
この力が不足していると、ズレた内容で解釈をしてしまうことや、相手の意図とは違った受け取り方をしてしまう可能性が高まります。
一つの文章を読んで、どの部分が最も大切な内容なのか、要点をつかむことがこれに当たります。
例えば、
「今週は目標10件の申込獲得に対し、7件の申込獲得に留まったため未達に終わりました。」
という報告を受けるとします。
ここで最も重要なことは、「今週は目標が未達に終わった」ことです。
しかし、「7件の獲得だった」と切り出してしまうと細部にフォーカスしすぎで、的を射ていない要約になります。
まだ報告のような形では、要点が分かりやすいですが、論文のような長い文章や、メールやチャットの文面など、
あらゆる形の文章で同じことができることで力がついていると言えるでしょう。
このように、ものごとの本質を見極める力は、相手の言いたいことを自分で説明することができたり、見て聞いた内容を要約することが該当します。
・相手の感情や考えを読む力
相手の感情や考えを読む力は、物語や説明文を読む場合などによく用いられます。
いわゆる、行間を読むということです。
そして、この行間を読む力は、本を読むときだけに発揮されるものではありません。
SNSやメールなど、日々私たちが受け取る文章のほとんどが意図があって発信されているものです。
明確に文字に表されていなくても、「この喜びを伝えたい」や「人の役に立ちたい」「〇〇という考えが広まってほしい」など、発信者側の感情や考えが文章には隠れています。
また、文化的な側面を配慮しなければならないこともあります。
「つまらないものですが」と言いながら手渡される贈り物に対し、本当につまらないものだと解釈する人はいませんよね。
社交辞令やマナーとして言っていただいていると認識するのが一般的です。
このような、文字になっていない隠れた感情や考えを読めるようになると、読解力が高い人といえるでしょう。
・会話を理解する力
読解力を発揮する場面は、文章を読むときに限った話ではありません。
会話での文字以外の視覚情報や音の情報(いわゆる非言語情報)を読み取る力も、読解力を構成する要素となります。
例えば、不機嫌な顔をしながら「怒ってないよ」と相手に言われた場合、あなたならどのように解釈しますか。
言葉のとおりに考えるのであれば、その相手が怒っていないと判断するでしょうが、そのような方は少ないと思います。
多くの方が、相手の不機嫌な表情を見て、「怒っていないとは言っているけれど、本当は怒っているのかもしれない」と判断するでしょう。
このような力が「会話を理解する力」です。
会話でも言葉を正しく理解したり、相手の感情や考えを読むということが必要になり、皆さん無意識のうちに日常で読解力を瞬時に活用しています。
・読み取ったことを活用する力
読解力は、文章を読み、受け取った情報を活用する能力も含んでいます。
文章や会話の中でわかったことは、ほとんどの場合文章に起こしたり、会話として他の人に話したりすることになります。
このときに、十分に理解できていなければ、「あれ、どう伝えればいいんだっけ?」と言葉に迷ってしまうことになるでしょう。
そして、誤って理解すると、自分の言葉で伝えたときに、伝言ゲームのように「最初に受け取った内容と違う」ということが起こります。
日常のあらゆるコミュニケーションが全て伝言ゲームといえます。
その伝言ゲームを成り立たせているものが、読解力なのです。
ここまで解説したように、読解力は文章を正しく読むだけでなく、他の力と組み合わさって構成されています。
そして、どれも普段から活用している能力なのです。
2.日本人の読解力は年々下がっている!?社会人にこそ読解力が必要な理由
1章でご紹介の通り、読解力は社会を生き抜くにあたって必須の能力ですが、実は日本人の読解力は低下していると言われています。
PISAの調査では、世界81ヶ国を対象に15歳の学力を調査しています。
その読解力の調査で日本は、2015年に7位、2018年には過去最低の15位を記録しました。
最新の調査(2022年)では3位にまで復活したものの、過去最低を記録した世代は既に進学、または社会として働いているのが現状です。
引き続き、日本人にとって読解力には課題が残っていると言えるでしょう。
しかし、読解力は社会に出てからこそ必要な能力です。
ここでは、社会人になぜ読解力が必要なのか、改めて確認してみます。
2-1.素早く正しい情報判断が求められるから
素早く正しい情報をキャッチする力は、インターネットが普及した現代社会では不可欠の能力です。
総務省のデータによると、2000年から2020年の20年間で、インターネット全体のデジタルデータ量が6450倍になったと言われています。
ここ最近では生成AIも発達してきているため、そのデータ量は更に増すことになるでしょう。
インターネットが普及する前には、本や新聞といった文字情報や、テレビやラジオから入ってくる情報がメインでした。
しかし今では、インターネットを通して誰もが素早く手軽に情報を得られるようになっています。
そして、便利になった反面、多くの情報を受け取れることが可能になったため、自分で情報を取捨選択したり、正しい情報を見極める力が非常に大切になってきます。
情報の選択を誤ると、間違った情報を広めてしまうことにつながりますし、正しく選択できる力があれば、それはあなたの武器になります。
膨大な情報から素早く正しい情報を得られるようになると、日常生活で役立つことはもちろん、ビジネスにおいても「できる人」として重宝されるようになるでしょう。
2-2.伝え方一つでコミュニケーションの質が大きく変わるから
読解力には読む力だけでなく、アウトプットする力も含まれることをご紹介しました。
ビジネスの場では、企画書や報告書、メールといった文章でのやり取り、プレゼンテーションや商談といった口頭でのやり取りなど、
あらゆる形でコミュニケーションを取ることが求められます。
読解力があれば、コミュニケーションをとる相手が何を求めていて、どのように伝えると伝わりやすいかを推測することができます。
そうすることで、相手とスムーズなコミュニケーションをとることができます。
スムーズなコミュニケーションができれば、周囲はあなたを「できる人」と認識するでしょう。
一方で、読解力が不足していると相手の状況の読み取りが甘くなります。
相手の意図を汲み取れないコミュニケーションをとってしまい、結果的に評価されづらくなってしまったり
「あの人は話が分かりづらい」というレッテルを貼られてしまいます。
また、コミュニケーションの質は仕事上での人間関係構築にはもちろん、プライベートでの友達関係・恋愛関係にも大きく影響します。
話が伝わりづらい人よりは、話が噛み合う友達のほうが一緒にいて楽しいですよね。
もし会話の中で聞き返されることが多かったり、会話が噛み合わない実感がある場合には、自分の読解力を鍛えるべきサインかもしれません。
このように、読解力は仕事・プライベートのあらゆる場面で必要なため、社会人こそ鍛えて活用すべきなのです。
次の章では、この読解力をどのようにすれば鍛えられるかをご紹介いたします。
3.読解力を鍛える方法
読解力が不足していると感じたら、どのようにして伸ばしていけば良いのでしょうか。
この章では、今すぐに取り組むことのできる方法を含めて、全部で5つご紹介いたします。
3-1.目的意識を持って本を読む
最もシンプルで、効果がある方法が「本を読む」ことです。
そんなの当たり前だよ、と思うかもしれませんが、ただ無意識に本を読んでいるだけだと、今までと同じです。
ここでご紹介する読書法は2つ。
「精読」と「多読」です。
まず、「精読」する場合には、文章を言葉通りに受け取ることに加えて、筆者の意図や思い、内容の深い理解を意識しながら読み進めます。
ビジネス書を読むときには、筆者が何の専門家で、どのようなバックグラウンドを持っているのかを先に調べておくといいでしょう。
一方で、物語を読むときには、それぞれの登場人物がどのような関係性で、どんな性格かを想像しながら読み進めると、いつもより深い理解に繋がります。
もう一つの方法「多読」では、量を多く読んで、知識や語彙を取り入れることに集中しましょう。
多くの文章を読んでいると、どこに重要な情報があるのかがわかるようになったり、新しい知識や語彙を取り入れることができたりと、読解力の基礎になる力を伸ばすことに繋がります。
もし、長い文章を読むことや、読書量を増やすことに不安がある場合には、自分の好きなジャンルや読みやすいものから始めて、徐々にステップアップしていきましょう。
3-2.自分の思考のクセを探す
自分の思考のクセを探すことも、読解力アップに大きく関係します。
あらゆる場合に正しく客観的な判断ができることが理想です。
しかし、どうしても感情が入ってしまう、早合点をすることが多いなど、人それぞれちょっとした思考のクセを持っていることがあります。
この思考のクセを見つけておくと、自分で意識的にフラットな視点に戻すことができるようになります。
思考のクセを探すための方法は、シンプルです。
「なぜこう考えたのか?」と意識し続けることです。
少し周りの人と違う認識を持っていたり、コミュニケーションのズレを感じたときに、
すぐ「なぜこう考えたのか?」と立ち返ることで情報を読み違えた部分や、過去に同じようなことがあったことなどを分析することができます。
自分の思考のクセを探す訓練を続けていると、自分の思考のクセに気づいてだんだん正しい解釈や適切な判断ができるようになります。
3-3.自分の考えをアウトプットする習慣をつくる
3つ目は、自分の考えをアウトプットする習慣をつけることです。
読解力の要素のひとつに、読み取ったことを活用する力があり、その力を伸ばすための方法です。
考えをアウトプットする方法は、
- 日記をつけること
- SNSへの投稿
- 友達や同僚と意見交換する時間を作ること
などがあります。
題材は自分が続けやすいもので大丈夫です。
毎日自分が考えたことでもいいですし、読書記録や趣味のこと、旅行体験記や仕事上の勉強記録などもテーマとして活用できます。
こうして、日々自分が得た情報やその情報から考えたことをアウトプットを続けることで、頭の中で情報や考えを整理し、言語化して外に出す訓練ができます。
そして、数を重ねるうちに素早く情報をまとめられるようになり、考えを言語化するスピードや精度も上がります。
3-4.相手が言ったことを要約する
情報を正しく受け取るために、得た情報を自分でまとめることが大事です。
自分で情報をまとめる力をつけるために、有効な方法として、会話している相手が言ったことを自分で要約することができます。
具体的には、相手が話してくれた内容を、直後に「つまり、〇〇ということですよね。」と短く要約して伝えます。
合っていたら、相手はうなずいたり「そうそう」と返してくれます。
もしかしたら、間違っていたらどうしよう、という不安をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。
もしニュアンスが違っていたとしても、すぐに要約すれば、相手が「〇〇というよりは、△△という感じ」などと修正してくれます。
むしろ、ずっと違った認識をし続ける方が危険なので、相手から受け取った内容は積極的に要約して、復唱してみましょう。
相手の言ったことを要約して、確認する作業を繰り返すと会話上でも素早く要点や相手の意図を汲み取りやすくなります。
3-5.違う視点に立ってみる
最後に、自分の視点から一歩離れて、違う視点に立つ方法をご紹介します。
コミュニケーションを取るときには、3つの視点があります。
- 【1】自分の視点
- 【2】相手の視点
- 【3】客観的な視点 です。
何も意識していないときには、自分の視点に立っていることがほとんどです。
このときには、自分の価値観や考え方、感情などのフィルターを通して情報を受け取っています。
このフィルターが正しい情報を掴むことや、相手の意図を汲み取ることを邪魔することがあります。
そこで、他の視点を活用するのです。
例えば、相手の考え方や話し方をそっくり真似するように相手の視点に立つことで、
言葉には表されていない感情や背景となる状況なども感じ取ることができます。
また、1対1のコミュニケーションでなくても、いつでも活用できる視点が客観的な視点です。
これは、自分でも相手でもない第三者の視点にあたります。
客観的な視点に立つと感情や不要な背景情報を削ぎ落として情報を受け取ることができるため、より言葉通りフラットに情報をまとめることができるようになります。
このように、自分の視点だけでなく、ときには相手の視点や客観的な視点も取り入れながらコミュニケーションを取ることで。
情報の受け取り方や読み解き方に幅ができ、より正確に、かつ細かい部分に配慮しながら、情報をアウトプットすることに繋がります。
読解力を鍛えるために、社会人が今からできることを5つご紹介しました。
どれもすぐに実践可能な内容なので、ぜひ1個から取り入れてみてください。
4.さらに読解力を鍛えるために
本記事では、読解力とは何かを再確認し、読解力が必要な理由や読解力を鍛えるためにできることを解説してきました。
社会人が日常生活でも仕事でも常に活用している読解力。
ご紹介した内容をもとに、あなたがさらにご活躍されることを願っています。
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