生産性アップ!ミスコミュニケーションを解決する3ステップ実践法
どうしてそうなった…
と、頭を抱えたくなるような、
職場でのミスコミュニケーション。
あなたも悩んでいらっしゃるかもしれません。
ちょっとした食い違いだけで
済むこともあれば、
プロジェクトが遅れたり、
行き違いが大きな問題に
発展することもあります。
関係がぎくしゃくし始めたり、
イライラが爆発しそうになることも、
実際ありますよね。
そもそもコミュニケーションとは、
伝わりづらい仕組みになっていますから
ミスコミュニケーションが起こるのは
仕方ない部分もあります。
だからといって
諦めるワケにはいきません。
この記事では、職場での
コミュニケーションのミスを防ぎ、
仕事をスムーズに進めるために、
コミュニケーションの具体的な方法を
3つのステップでご紹介していきます。
1.ミスコミュニケーションとは?
「ミスコミュニケーション」とは、
意図したことが相手に正しく伝わらず、誤解やすれ違いが生まれることです。
言葉の解釈の違いや、情報の不足・曖昧さが原因となって、ミスコミュニケーションが起こります。
コミュニケーションの取り方に原因がある場合もありますが、私たちの脳が情報をインプット・アウトプットする際の特性(機能)によって起こる場合も多いのです。
2.ミスコミュニケーションの主な原因
ミスコミュニケーションを防ぐには、まずはなぜ起こるのかを押さえていきましょう。
原因が分かれば、その解決策や防止策も見えてきます。
2-1.認識のズレ
私たちは、それぞれが持っているバックグラウンドや「価値観」が異なります。
同じ言葉でも、それぞれが認識している意味が違っている、ということがよくあります。
例えば、上司から「早めに報告して」と言われた時、あなたはどれくらいのタイミングで報告しますか?
1時間でしょうか。それとも1日以内でしょうか。
こうした解釈や認識の違いは、日常にごまんとあって、ズレを生む原因になってしまうのです。
2-2.情報の不足
私たちは、1つの物ごとに対して、そもそも持っている情報も違います。
例えば、同じプロジェクトメンバーでも、
Aさんは知っていて、Bさんは知らない、というケースはよくあることではないでしょうか。
そしてその2人が、お互いに情報差があることを知らずに物ごとが進んでいくと、同じ仕事を重複して進めてしまったり、逆に必要なことが進んでいなかったり…
様々なところで食い違いが起こり、思うように進まなくなってしまうのです。
2-3.削除・歪曲・一般化
私たちの、情報処理の仕組みにも原因があります。
心理学NLP(神経言語プログラミング)では、人が情報を処理する際に、「削除(省略)」「歪曲」「一般化」の3つが起こると考えられています。
これらがミスコミュニケーションの原因になることが多いのです。
・削除
私たちは膨大な情報を受け取る中で、自分にとって重要ではない部分を無意識に削除したり省略したりします。
例えば、上司が「早めに資料をまとめておいて」と指示を出したとします。
この情報には「どの資料をまとめるのか」「どの程度の詳細が必要なのか」「早めにとはいつなのか」といった具体的な情報が削除されています。
部下は「簡単な概要だけまとめればいいだろう」と解釈するかもしれませんが、
上司は「詳細なデータ分析が必要」と考えていたとすると、不十分な結果となり、双方にフラストレーションも生じる原因になるでしょう。
・歪曲
私たちは、情報を自分のフィルターを通して歪めて解釈することがあります。
例えば「あのプロジェクトは急いでいない」という言葉を「重要ではない」と歪曲して解釈してしまうことがあり、優先度を間違って捉えることがあるのです。
・一般化
私たちは、一部の情報をもとに、全体を判断しがちです。
例えば、2回つづけて誘いを断られたために、「いつもあの人から避けられている」と思い込んでしまうようなことです。
実際は「いつも」ではなく、たまたまだったかもしれないのに、このような一般化が認識のズレを生んでしまうのです。
2-4.フィードバックや当事者意識の不足
最後に見落とされがちなのが「フィードバック不足」です。
ミスが起こった時に、意見を言い合ったり、改善案を話し合ったりできる環境(関係性)がないと、同じミスは繰り返されていきます。
あるいは、間違いに気づいているのに誰も指摘をしない、という環境だとしたら、さらに問題は深刻です。
まずはチーム内の関係性を変えていくために、コミュニケーションが必要かもしれません。
3.ミスコミュニケーションを防ぐ3つのステップ
ミスコミュニケーションを防ぐためには、具体的なコミュニケーションの取り方やルールが必要です。
ここからは、私たちが主催するコミュニケーション講座でもお伝えしている、実践的でシンプルな方法を3つ選んでご紹介していきます。
3-1.目的を明確にする
ここでの「目的」には、2つあります。
まず1つめは、物ごとに対しての目的です。
チーム全員が同じゴールを共有しているか確認しましょう。
チームが何のためにその仕事をやっているのか、何のためにそのゴールを目指すのか、ということです。
「何を目指しているのか」
「なぜそれが必要なのか」
「チームの価値観」
これらを全員が共有することで、メンバーの判断基準が統一しやすくなっていくからです。
2つめは、コミュニケーションの目的です。
コミュニケーションのはじめに、何をどうしたいのか?を明確にしましょう。
「○○についてのご相談です」
「納期を短縮するための改善提案です」
「先日ご指示を受けた、○○についてのご報告です」
特に慌てていたりすると、何の話なのかを伝えず、唐突に話を始めてしまうことってありがちです。
何についての話題なのか、何がしたいのかをはじめに伝えると、聞く側の相手も、そのつもりで話を聞くことができます。
コミュニケーションのスタートラインを揃えていきましょう。
3-2.共通言語、共通認識を作る
「共通言語」と「共通認識」を作ることはとても重要です。
- 職場で使われる専門用語や略語が、全員に同じ意味で伝わっているかどうか
- 言葉の意味や解釈に、食い違いがないかどうか
これらのことを、コミュニケーションの際に徹底してすり合わせしていきましょう。
2章でお伝えしたように、私たちはそもそものバックボーンや価値観、言葉の解釈、持っている情報など…多くの違いがあるのが大前提だからです。
実践例:
- 用語集の作成:
プロジェクトや業務でよく使われる専門用語や略語をまとめ、全員が共有する - プロセスのビジュアル化:
業務の流れや各ステップの役割をフローチャートやマインドマップにまとめ、全員が全体像や状況を理解できるようにする - 意味・解釈の確認:
「〜〜とはこのような意味です」「○○を数値で表すとこのくらいになります」などのように全員の認識を合わせるために、言い換えや数値に置き換えて説明する
3-3.アクティブリスニングを実践する
聞く力を高めることで、ミスコミュニケーションは大幅に減ります。
「アクティブリスニング(積極的傾聴法)」とは、相手の言葉にしっかり耳を傾け、理解しようと努める方法です。
コミュニケーションは話し手と聞き手の2人で成立しますが、話し手がどれだけ上手に伝えたとしても、聞き手がどう理解し、どう解釈したかで決まります。
コミュニケーションとは、話すことに意識が向きがちですが、聞くことはとても重要な役割なのです。
実践例:
- 相手の言葉を繰り返し、確認する
(例:「つまり、○○ということですね?」) - 質問を挟んで理解を深める
(例:「具体的にはどういう意味ですか?」) - うなずきや相槌で話を促す
(話しやすい状況を作る)
4.ミスコミュニケーションを激減させる思考法
ミスコミュニケーションを激減させるだけでなく、コミュニケーションを飛躍的に高めるために、欠かせない視点があります。
それが、心理学NLPの「ポジション・チェンジ」という手法です。
4-1.ポジション・チェンジとは
「ポジション・チェンジ」とは、相手の立場に立って物ごとを考える方法です。
元々はカウンセリングの手法で、それをさらに応用・発展させたのがNLP(神経言語プログラミング)のポジション・チェンジです。
- 自分の視点
- 相手の視点
- 第三者の視点
このように3者の視点に立って思考することで、他者理解を深めたり、コミュニケーションの質を向上させる効果があります。
頭で理解するのと、実際にやってみるのでは、得られるものが大きく違いますし、間違いなく、コミュニケーションや人の気持ちを汲み取る力がアップします。
ぜひ取り入れていかれることをお勧めします。
4-2.ポジション・チェンジの3ステップ
ポジション・チェンジとは、実際に3者の位置を準備し、順番に体を3つの位置に動かして、思考や対話を行っていく手法(思考法)です。
そして最大限の効果を得るための一番のポイントは、
「相手や第3者の気持ちや立場、視点に実際になりきってみること」です。
ここでは「拗れてしまったAさんとの関係を改善したい」という問題を例にして、どう使っていくのか、簡単にやり方をみていきましょう。
自分の立場や視点から、目の前にAさんがいるとイメージして、Aさんに対して思うことを伝えていきます。
Aさんの視点に立って、自分からのメッセージを受け取ります。
そしてAさんの気持ちになりきって、相手(自分)がどんな思いでその言葉を発したのか、
またはどのような意図で行動したのかを想像したり、Aさんの立場から相手をどう思っているのかを考えます。
自分とAさん、両方の立場を客観的に見る「第三者の視点」に立って、
その2人の状況がどのように見えるのか、どうなっていくといいのかを考えます。
例えば、2人が話し合っている場面で、双方の気持ちや状況を想像したり、
さらに2人の上司であれば、2人にどんなアドバイスをするのか?などのように思考を巡らせることができます。
ポジション・チェンジを取り入れることで、幅広い視点に立って物ごとを捉えたり、共感する力が強化され、ミスコミュニケーションが大幅に減ります。
一度試してみると、独りよがりのコミュニケーションを取っていたなあとか、あの人になんと伝えれば協力が得られるだろうか、など…
コミュニケーションの取り方に、より意識が向くようになることに気づかれるでしょう。
多くのメンバーをまとめるリーダーや、利害関係のある人たちとの関わりが多い方など、リーダーや管理職層の方であれば、ぜひ使っていただきたい思考法です。
※今回は、簡易的なプロセスをご紹介しましたので、詳しい方法を知りたい方は、ポジション・チェンジの記事もご覧になってみてください。
↓
ポジション・チェンジとは?「仕事や人間関係」の悩みを解決する手法
5.コミュニケーション能力を飛躍させるには
ミスコミュニケーションは対策次第で、必ず改善できます。
ミスコミュニケーションの問題が解決することで、日々の仕事の精度が上がり、テンポよく業務が進んでいくようになります。
食い違いや行き違いでイライラしてしまうことからも解放されて、目の前の仕事や、チームのゴールに集中して臨むことができるようになるはずです。
あなたがチームや部下をまとめるリーダーであれば、3つのステップや、ポジション・チェンジを実践していくだけでも、
コミュニケーションが格段にスムーズになっていくことを実感していただけるでしょう。
今回ご紹介したように、コミュニケーションや人間関係の問題を解決したり、コミュニケーション力を飛躍させるためには、いくつかの「秘訣」があります。
これらを知っておくと、人間関係やコミュニケーションが格段にスムーズになっていくのですが、こうした大事なことを知らない方は多くいらっしゃいます。
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