自己効力感を高める7つの方法!測る尺度や3つのメリットも解説
自己効力感を高めたい。
このようにお感じの方が多いと思います。
自己効力感とは、
A.バンデューラ博士によって提唱され、
近年、大きく注目を集めている概念の一つです。
自己効力感を高めると、
どんな目標にも果敢にチャレンジし、
困難に力強く対処できるようになります。
今回はこの自己効力感について、
高める方法7選をご紹介します。
自己効力感を測ることのできる
チェックリストもご紹介していますので、
興味のある方はぜひ読み進めてみてください。
1.自己効力感とは?
1-1.自己効力感とは?
自己効力感とは、ある行動を起こす前に感じる遂行可能感(自分ならできると思える感覚)のことです。この自己効力感はセルフ・エフィカシーとも呼ばれ、1977年、アルバート・バンデューラ博士によって提唱されました。
1-2.自己効力感を高める5つの要素
自己効力感を高めるために大切な要素は下記の5つです。
達成経験 | 自分自身が達成・成功したという成功体験 |
---|---|
代理体験 | 自分以外の他人が何かを達成・成功したことを観察し、自分に落とし込む高め方のこと |
言語的説得 | 自分に能力があることを言語的に説明する・してもらうこと |
生理的 情緒的高揚 |
人の生理的な反応や情緒を活用し、一時的に自己効力感を高揚させる方法 |
想像的体験 | 自己や他者の成功体験を想像して成功の疑似体験をすること |
この記事の4章では、こうした要素を踏まえて、自己効力感を高める具体的な方法を7選をお伝えしていきます。
2.自己効力感の高さを測る尺度
自己効力感を測定するための尺度として、1986年に坂野雄二氏と東條光彦氏が開発したのが、一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)です。
「はい」「いいえ」で答えられる簡単なものですので、もし興味のある方はセルフチェックしてみてください。
1 | 何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである。 |
---|---|
2 | 過去に犯した失敗や嫌な経験を思いだして、暗い気持ちになることがよくある。 |
3 | 友人より優れた能力がある。 |
4 | 仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。 |
5 | 人と比べて心配性なほうである。 |
6 | 何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである。 |
7 | 何かをするときうまくゆかないのではないかと不安になることが多い。 |
8 | 引っ込み思案なほうだと思う。 |
9 | 人より記憶力が良いほうである。 |
10 | 結果の見通しがつかない仕事でも、積極的に取り組んでゆくほうだと思う。 |
11 | どうやったらよいか決心がつかずに仕事にとりかかれないことがよくある。 |
12 | 友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。 |
13 | どんなことでも積極的にこなすほうである。 |
14 | 小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである。 |
15 | 積極的に活動するのは、苦手なほうである。 |
16 | 世の中に貢献できる力があると思う。 |
いかがでしょうか。
取り組んでみた方は、下記の基準に合わせて採点・評価してみてください。
【一般性セルフ・エフィカシー尺度の採点方法】
No. | 配点 |
---|---|
1,3,6,9,10,12,13,16 | 「はい」=1点、 「いいえ」=0点 |
2,4,5,7,8,11,14,15 | 「はい」=0点、 「いいえ」=1点 |
【評価基準】
- 「11~16点」… 高い
- 「9~10点」 … 平均
- 「~8点」 … 低い
※引用:セルフ・エフィカシーの臨床心理学 坂野雄二・前田基成著
満点が16点の診断テストですが、今のあなたの現状はいくらでしたでしょうか。もし、思っていたよりも低い、と感じた方がいらっしゃっても全く問題はありません。
自己効力感は、誰もが後天的に高めることができます。そのために必要な知識やアプローチ、方法などについては4章で詳しくお伝えしていきます。
さて、次の章では、この自己効力感を高めることで得られるメリット3選について解説していきます。
3.自己効力感を高めるメリット3選
自己効力感を高めるメリットは主にこの3つです。
- 1.自分の可能性を広げる
- 2.チャンスを掴み取ることができる
- 3.挑戦することに物怖じしなくなる
下記で詳しく見ていきます。
3-1.自分の可能性を広げる
自己効力感が高いと、自分の可能性を広げることができます。
なぜなら、これまで経験したことがないことに挑戦する時でも、過去の体験や経験を上手く紐づけながら、「自分には遂行できる」という感覚を持ちやすいからです。
自己効力感が高ければ、自分が取り組んだことのない分野においても、積極的にチャレンジすることができるため、自分の可能性を広げることに繋がります。
3-2.チャンスを掴み取ることができる
自己効力感が高くなると、チャンスをつかみ取りやすくなると言えます。
自己効力感が高い人は、数段階ほど高い視点を持ってことにあたる傾向が高いです。その理由は、代理的体験にあります。他者の成功体験を観察して、自分にもできるという信念を普段から育んでいくわけです。
自分より高いレベルのチャレンジに取り組む機会が目の前に現れた場合でも、「自分でもできるかな」と迷うことなく、そのチャンスを掴んでいくことができます。
3-3.ストレスに対処できる
自己効力感の高さは、これから起こりそうな脅威、不安といったストレスに対する警戒や感じ方に大きな影響を及ぼします。
自己効力感が低い場合、これから起こりそうなストレスを手に負えないと思いこむため、環境の様々な局面を、危険にはらんだものとみなします。ですから、ストレスをより大きく感じ、めったに起こらないことに対して過剰に心配する傾向にあります。
これに対して、自己効力感が高い場合、潜在的な脅威をコントロールすることができると信じるため、脅威を常に警戒したり、心を乱すような考え方にとらわれることがありません。むしろ、新しいことに適応する時、チャレンジとみなして進んでいく能力があります。
4.自己効力感を高める具体的な方法7選
自己効力感を高める方法は以下の7つです。
- 1.成功体験を増やす
- 2.代理体験を積む
- 3.人に「自分は能力がある」と言ってもらう(社会的説得)
- 4.自分軸で成長を評価する
- 5.自分の心や体の状態を正しく把握する
- 6.成功した自分を予習する(イメージング)
- 7.自己を卑下しない
それぞれ下記でお伝えしていきます。
4-1.成功体験を増やす
成功体験を積むほど、「自分にはできる」という自己効力感がより高まっていくと言われています。
ここで最も効果のある成功体験の特徴として、「忍耐強い努力によって障害に打ち克つ経験」というものがあります。たやすく達成できた成功体験だけでは、即時的な結果を追い求めやすくなってしまい、失敗するとすぐに落胆してしまう、という側面があります。
強固でブレない自己効力感を高めていくには、すぐに達成できてしまう成功体験だけでなく、忍耐強い努力によって成功を掴み取る経験もバランスよく積む必要があります。
4-2.代理体験を積む
代理体験とは、自分以外の他人が何かを達成したり、成功したりすることを観察して、「自分にもそれができる」という信念を育み、自己効力感を高める方法です。
例えば、同期や同僚が仕事で大きな結果を出したとき、どんな知識や技術、方法を使っていたのかを観察し、よりよい方法を探す、あるいは自分に落とし込むことで自己効力感を高めていきます。
また、何度も進路を阻む障害物を忍耐強く対処していくモデルケースを分析することで、技術的な面だけでなく、それ以上に大切な「諦めない信念・姿勢」という成功に必要なメンタルのあり方も学びとることができます。
4-3.人に「自分は能力がある」と言ってもらう(社会的説得)
これは社会的説得と言われる方法で、自己効力感を高めるのに大きく役立ちます。
「ある行動を習得する能力がある」と人に言われて、その行動を自ら進めることができた人は、何か問題が生じた際に、自分の欠陥についてクヨクヨと悩んだり、「自分は本当にできるのか」という疑問を抱いたりせず、より多くの努力を重ね続けることができます。
一方で、社会的説得だけで自己効力感を身につけていくことは難しいと言われていますので、他の方法と合わせて試していくことが大切です。
4-4.自分の心や体の状態を正しく把握する
自己効力感を高めるための重要な考え方として、自分の体や心の状態を正しく把握する、というものがあります。
例えば、緊張状態にある時、体は震えて声は上ずり、手には汗を握りながら、不安や恐怖に陥っていたとします。しかし、これは本当に「不安」や「恐怖」が適切な反応なのでしょうか。
ここで大切なのは、体の反応をどのように受け止め、解釈するかです。自己効力感を高めるためには、緊張という心身の状態を、パフォーマンスを上げるためのものとして捉えることが重要です。不安に感じるのではなく、興奮している、楽しむためのスパイスだと捉えたほうが、自己効力感が高い状態と言えます。
4-5.自分軸で成長を評価する
自分が成長できたかどうかを、他人とではなく、過去の自分と比べて評価することが、自己効力感を高めるために大切なことです。
他人と比べてしまうと指標がバラバラになるほか、自分の成長度合いが他人に委ねられてしまうなど、一喜一憂しやすくなってしまいます。これでは、ブレない自己効力感が育たなくなってしまいます。
常に、過去の自分を超えるという軸で成長を評価していくことで、揺るぎない自信や自己効力感が高まっていきます。
4-6.成功した自分を予習する(イメージング)
これは想像的体験と呼ばれる、自己効力感の高め方の一つです。
この想像的体験の重要性がわかる一つの実験をご紹介します。ハーバード大学のパスカル・レオーネ教授が、ピアノ未経験者を3つのグループに分けてある実験を行いました。
Aグループ | 1日2時間(計5日)ピアノを弾いて練習 |
---|---|
Bグループ | 1日2時間(計5日)ピアノを弾くイメトレを行う(体は動かさない) |
Cグループ | 何もしない |
この実験で、指を動かす神経細胞のはたらきが最も向上したのはAグループでしたが、Bグループもそれとほぼ同じくらいの上達度を見せました。
この原理を活用し、成功した自分の姿を明確にイメージすることで、すでに成功した状態を先取りすることが可能となります。この想像的体験は、「自分ならできる」という自己効力感を大きく高めていく助けとなります。
4-7.自己を卑下しない
これは単純な方法ではありますが、実は意外とできていないケースも多いものです。
例えば、誰かから褒められた時に、あなたはどんな言葉で返すでしょうか。ある人は「ありがとうございます」と感謝の言葉で返したり、また、ある人は「いえいえ自分なんて」と謙虚な返事をすることもあると思います。
自己効力感を高めるという視点でみると、大切なのは、まず褒められた部分をしっかりと受け取ることです。謙虚な姿勢は大切ですが、自己卑下が無意識のうちにクセづいてしまっていると、自己効力感が下がり続ける恐れがあるため注意が必要です。
自己効力感を高めたいのであれば、褒められたり認められたりした場合、素直にそれを受け取ることを意識することが大切です。
5.自己効力感を高めて人生を豊かにするために
自己効力感を高める5つのポイントや、高める7つの方法についてご紹介してきましたが、いかがでしょうか。
7つの方法については、試しやすいものから、効果が大きいものまで幅広くご紹介しましたので、試したいものから試してみることをおすすめします。
自己効力感について、さらに理解を深めたいと思われた方は、こちらの記事も合わせて読んでいただくことをおすすめします。
→自己効力感とは?人生や仕事に自信を持つための最適な方法3選を解説
参考:
- セルフ・エフィカシーの臨床心理学
坂野 雄二、前田 基成ら著・編集 - 激動社会の中の自己効力
アルバート バンデューラ(編集)、本明寛(翻訳)、春木豊(翻訳)、野口京子(翻訳)、山本多喜司(翻訳)
また、自己効力感を高めたい、自信を持って人生を豊かに歩みたい方は、
当たる占い師から人生のアドバイスをもらってみるのもおすすめです。
下記のサイトでは当たる占い情報が詳しく紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
【eBOOK】今なら無料プレゼント
人間関係が劇的に変わる
コミュニケーション
『5つの秘訣』とは?
人間関係や仕事でうまくいく人と、そうでない人の
コミュニケーションには、どのような違いがあるのでしょうか?
この無料eBOOKは、両者の違いを探求して見出した、
コミュニケーションがうまくいっている人たちの
「共通点」や「秘訣」の一部をまとめたものです。
- 部下やチームをもっとうまくまとめたい
- 営業や接客・販売の成績をもっと上げたい
- 人を巻き込む力・人を動かす影響力を身につけたい
- 言いたいことが伝わらずに悔しい思いをしている
- 家族や恋人との関係をもっと良くしたい
1つでも当てはまることがある場合は、
このeBOOKがきっとお役に立てることでしょう。
今すぐ下記からダウンロードして、ご活用ください。