聞き上手とは?人から好かれて信頼を得る13の秘訣

「聞き上手」と呼ばれる人には
ある共通した魅力があります。
- 認められ、寄り添われている感覚がある
- その人と一緒に居るだけで、心が満たされる
- 誰にも話せなかった悩みや辛い経験を話せる
このような、
「その人と居ると
心地よくて何でも話せてしまう」
という魅力です。
この記事では、
聞き上手ならではの魅力を生みだす13の秘訣
を心理学の観点から解説しています。
ご紹介する内容を実践することで
周囲から「聞き上手だね」と褒められ、
仕事やプライベートでの反応が
ガラリと変わることをきっと
実感していただけると思います。
ぜひご覧ください。
1.聞き上手とは
1-1.聞き上手とは
聞き上手とは、「心から聞く技術」「心から聞く姿勢」を持った人のことです。
具体的に言うと「相手に寄り添い、肯定しながら、相手のために良く聞き、気持ちを想像し、自分ごとのように感じられる」人のことです。
こうした聞き上手の方は、話し手に対し、下記のような変化を生み出すことができます。
- 自分を肯定し、認め、励ませるようになる
- 今の自分の状態を整理し、課題や解決策に気づける
- 抱えていたマイナスの思いや感情、執着を手放せる
- 心が癒される、満たされる、勇気づけられる、元気になる
など
その結果、聞き上手の人は、相手から好感や信頼を得ることができ、良好な人間関係を築くことができます。
1-2.良い聞き手が人の気持ちを動かす理由:自己重要感
自己重要感とは、自分のことを「価値がある人間だ」「必要とされている存在だ」と思う感覚のことです。実はこの自己重要感に、人の気持ちを動かす秘訣があります。
まず自己重要感の例を挙げると、下記のようになります。
- 自分自身のことを「価値ある存在」だと思いたい/認めたい
- 他者からも、自分のことを「価値ある存在」と認めてほしい/扱ってほしい
- 自分の話を聞いてほしい/肯定してほしい
など
自己重要感がいかに重要か、アメリカの有名な心理学者であるウィリアム・ジェームズ氏はこう表現しています。
「人間の持つ感情のうちで最も強いのは、他人に認められることを渇望する気持ちである」
そうです。
人は無意識に、「私は価値がある」「私は必要とされている」など、自分を肯定したいと思っています。
そのため、肯定的な姿勢で話を聞いてもらえるだけで、相手の気持ちは満たされ、好感度や信頼感がグッと高まります。
多くの人にとって、他者から肯定される機会というのは、あまり多くありません。
だからこそ、自己重要感を高めてくれる聞き上手とのコミュニケーションは非常に価値があります。
【出典・参照元】
- Wikipedia:ウィリアム・ジェームズ
- コミュニケーション能力認定協会:コミュニケーション講座・テキスト
:https://www.ca-japan.org
1-3.聞き上手になるメリット
聞き上手な方は、仕事、家庭、恋愛、友人など、人生のあらゆる場面で良好な人間関係を築けるようになります。
具体的には、以下のようなメリットを手にすることができます。
【聞き上手になるメリット】
- 誰からも信頼され、良好な人間関係を築けるようになる
- 人に好かれ、必要とされる、モテる
- 他者の心を癒やし、満たし、肯定し、励ます力が高まる
- 他者をサポートする力が高まる
- コミュニケーション能力が高まる(聞き上手になるほど、話し方も磨かれます)
- 悩みや問題が減る(多くの悩みや問題は人間関係から来ているためです)
- 情報が集まる(聞き上手の元には、様々な情報が集まります)
など
「心から聞く技術」「心から聞く姿勢」を高めるほど、あなたの聞き上手としてのレベルは高まります。
これは仕事やプライベートの人間関係にとても役立ちます。さらにコーチ、カウンセラー、セラピスト、コンサルタントの方にも非常に大きな力となります。
2.聞き上手になる最大の秘訣/「心から聞く姿勢」6つのポイント
聞き上手は共通して、「相手に寄り添い、肯定しながら、相手のために良く聞き、気持ちを想像し、自分ごとのように感じられる」ことができます。
もちろん「聞く技術」も大事です。しかし、その前提に、「心から聞く姿勢」があるからこそ、相手は話しやすくなり、心を開いて会話をすることができます。
そこでこの章では、聞き上手になるための「聞く姿勢」についてご紹介します。一つを徹底するだけでも相手の反応が変わります。
2-1.相手を尊重し、大切な人物だと思う
聞き上手な人ほど、目の前の人を尊重し、興味を持ち、ご縁のある大切な人だと思って接します。それを行うことで、相手はあなたに対して心を開き、話しやすくなります。
そして人は自分を尊重し、肯定的に接してくれる人へ以下のように感じます。
- 信頼できる
- 価値を感じる
- 好感を持つ(丁寧に接してくれる/大切に接してくれる)
- 心を開ける
- とても話しやすい/自分を出しやすい
- また会いたい/また話を聞いてほしいと思う
など
このように相手に対するあなたの姿勢で、相手の反応(心の動き)が変わります。
それはあなたにも経験があるかもしれません。例えば以下のような時にです。
- 家族や恋人と話す時、顔見知りと話す時の違い
- ご縁を感じるくらい親しい人と話す時、興味を持てない人と話す時の違い
- 自分に興味を持ってくれている人と話す時、自分に関心を示さない人と話す時の違い
など
それでは以下に、相手に対して肯定的な気持ちを作る方法をご紹介します。
【相手に対して、肯定的な気持ちを作る方法】
※以下について考え、イメージしてからコミュニケーションを取りましょう。
- リラックスする:深呼吸を10回行う(気持ちがリセットされる)
- 相手が重要な人だとイメージする:今から会う人は、大切で価値のある人/重要な人
- 喜びを感じる:あなたに会えて良かった、嬉しい
- 興味や関心を感じる:あなたのことをもっと知りたい
- 感謝を感じる:出会えたこと、一緒に過ごせることへの感謝
- その瞬間を大切にする:一期一会を意識する
など
もしもイメージしにくい場合は、過去に上記について経験した時、あるいは似た経験を思い出しましょう。感覚につながりやすくなります。
こうすることで相手を尊重し、興味を持ち、ご縁のある大切な人と思って接することができ、相手は心を開き、話をしやすくなります。
2-2.ポジティブな心理状態
ポジティブな心理状態で接するのも、「心から聞く姿勢」の1つです。良い聞き手でいられるか、相手の話を受け止められるかどうかは、あなたの心理状態に影響を受けます。そのため、以下はとても大切になります。
- 常にポジティブな心理状態を維持する
- コミュニケーションの前に心理状態をポジティブに整える
聞くことは、相手の話だけでなく、想いやエネルギーを受け止める行為です。
そのため、良い聞き手であるためには心に余裕が必要です。
ポジティブな心理状態でコミュニケーションを取るのがポイントです。
心の余裕を妨げるものとして、忙しさ、緊張、ストレス、イライラなどの状態がありますが、そのような状態で相手の話を聞くと、どうなってしまうでしょうか。
容易に想像がつくかと思いますが、良い結果はほぼ生まれません。表情はこわばり、集中力も長く続かない。話の受け止め方も上手くいかないことが多くなってしまうでしょう。
さらに、あなたがネガティブな心理状態であることは相手に伝わります。その結果、相手に気を使わせてしまい、相手が話しにくくなります。
このように心理状態は、あなたのコミュニケーションに大きな影響を与えるため、常に高め、整えることが大切です。
2-3.意図(相手へどのように接するか)
コミュニケーションにおける意図を決めましょう。
意図とは、相手に対してどのように接するかという姿勢です。どのようにを決めることで、あなたの思考、感情、行動が変わります。
それにより、相手は話しやすくなり、あなたはより良い聞き手であり続けることができます。
それでは、意図(どのように)の例について、以下にご紹介します。
【意図(どのように)の例】
- 相手の「心に寄り添いながら」聞く
- 相手のことを「とても大切な人だと思って」接する
- 相手の喜びや痛みを「自分ごととして感じる」
- 相手の話を「否定せず」に、「受け止め」「励ましながら」聞く
- 相手の「想いや感情を汲み取りながら」聞く
- 「相手のため」に、話に「集中する」
- 出会えたこと、関われることに「感謝しながら」聞く
- 「リラックスして」「心をオープンにしながら」聞く
- 「笑顔で」「その場を楽しみながら」聞く
など
※「」で囲んだ部分が意図になります。どのように聞くか?のどのようにの部分ですね。
聞き上手な人ほど、上記のような意図を持っています。それにより相手の立場に立ったコミュニケーションを取れるようになります。
2-4.相手への理解と共感
聞き上手ほど相手を理解し、共感する力があります。
そして人は自分を理解してくれる人、共感してくれる人に、肯定的な感情を抱きます。
「この人は、私のことをよく理解しようとしてくれている」「この人は、私のことをよく分かってくれている」など。
そして理解が深まり、共感が強くなるほど、相手は話しやすくなり、何でも話せる状態に向かっていきます。
そのためのポイントは、以下のように「よく聞き、よく見て、よく感じる」ことです。
【相手を理解し、共感するポイント】
- よく聞く
・話の内容 ・起きた出来事 ・想いや感情 ・使っている言葉 ・心の声 ・価値観 ・思い込み ・正しいと信じている考え方 など
- よく見る
・相手が頭の中でイメージしていることを一緒にイメージできるように (例えば、いつ、どこで、何が起きているのか、どんな状態か、あるいは、相手が何を望み、どうしたいかなど)
話している相手の表情、身振り手振り、姿勢、身体の動きなどを見る (感情的になっている、考え込んでいる、ショックを受けているなど、心理状態については下記の補足情報をご覧ください)
- よく感じる
相手の立場に立ち、心理状態を想像し、自分ごとのように感じる
理解を深め、共感を強めるほど、相手の立場に立って関わることができ、相手も話しやすくなるなど、コミュニケーションが円滑になります。
【補足情報1】:相手の反応を見る時のポイント
※以下のポイントに目を向けましょう。
- 表情、顔の色、口角、頬の筋肉
- 呼吸、息遣い
- 声のトーン、話のリズム、会話のテンポ
- 言葉遣い、話し方
- 姿勢、ジェスチャー
- 目、目線
- 感情、テンション
- 雰囲気
など
例えば、「表情が緊張していればストレスがかかっている」「顔が赤くなってきたら、感情的になっている」「声が震えているなら、不安や緊張があるかもしれない」などです。こうした相手の反応から、心理状態を察することができるようになり、相手に合わせて聞き方・関わり方を変化させることができます。
【補足情報2】:相手の立場に立ちやすくなる方法
※以下の質問を使い、相手の立場に立ってみましょう。
- ◯◯さんは今、何を考え、感じ、どういう気持ちだろうか?
- (相手の置かれた状況を想像し)今、何を考え、感じ、どのような気持ちだろうか?
- 自分もその状況に置かれたら、どのように感じるだろうか?
- もしも、自分が◯◯さん(相手)なら、何を考え、感じ、どのような気持ちだろうか?
など
2-5.思いやりを築き、高め、引き出す
聞き上手の秘訣の一つに、「思いやりを持つ」ことが挙げられます。当たり前に聞こえるかもしれませんが、非常に重要なポイントです。
具体的には、いたわり、優しさ、温かみなどといった思いをもって相手と接していくわけですが、例えば、苦手なタイプの人や嫌いな人に対して話を聞く場合、思いやりを持つことは難しくなることがあります。
誰に対しても、安定して思いやりの気持ちを自分から引き出し、発揮する方法があります。具体的には以下を行いましょう。
【思いやりの気持ちを築き、高め、引き出す方法】
- 1.深呼を10回行い、リラックスする
- 2.相手を思い浮かべる
- 3.目の前にいるかのようにイメージする
・目を見ることができ、手を伸ばせば触れることができる位置にいるかのように - 4.頭の中で声に出し、相手のことを想像する
- 聞いてほしいことがある
- 認めてほしいことがある
- 癒やされたいことがある
- 人生の幸せを探している
- 苦しみを避けようとしている
- サポートしてほしいことがある
- 悲しみ、寂しさ、失望を知っている
- 自分のほしいものを満たそうとしている
自分と同じように、この人も…
こうすることで相手も自分と同じで、色々なことを経験し、感じていると客観視することができ、相手に心を寄せやすくなります。
それにより思いやりを築き、高め、引き出せるようになります。
それはより深く心を寄せ、共感するためのポイントになります。
2-6.相手の感情と自分を切り離す
相手に深く共感するほど、無意識に相手の感情、痛み、課題を自分のものとして受け取ってしまうことがあります。それにより心理状態がブレてしまいます。
例えば、感情移入しすぎて、相手のために聞くことができなくなります。
つまり、良い聞き手であり続けることができません。そして本来、相手の痛みや課題は、相手自身が向き合い解決する必要があります。
そのため、相手の気持ちに共感しながらも客観的に受け止めましょう。
しかし、もしも感情移入しすぎて、相手の痛みや課題を受け取っていることに気づいたら、「これは相手の感情、痛み、課題」だと考え、切り離しましょう。
2-7.補足:自己開示
あなたが自己開示することで、相手も心を開きやすくなります。
もちろん自己開示は得手不得手があるため、無理することはありません。
しかし、必要に応じて相手に合わせた自己開示をすることで、相手も心を開きやすくなります。
以下に、自己開示の例をご紹介します。
【自己開示する内容の例】
- 相手の話にマッチした内容
- 失敗談や恥ずかしい話
- 聞き手の人柄が分かる話
など
聞き上手な人ほど、さり気なく、相手に共感しながら自己開示しています。
3.聞き上手が行っている「心から聞く技術」7つのポイント
聞き上手とそうでない人との決定的な違いの一つは、「聞き方」を知っているかどうかです。
聞き上手は話させ上手とも言いますが、聞き方次第で、相手の反応が大きく変わります。心を開くこともあれば、心を閉ざすこともあるほどです。
そこでこの章では、「相手が何でも話せてしまう」「心を開いて話をしやすい」「心地よく会話が続けられる」聞き方をご紹介します。それが「心から聞く技術」です。
3-1.傾聴する
「心から聞く技術」の基本は傾聴です。傾聴にはいくつかの種類がありますが、ここでは基本的な方法をご紹介します。
やり方はシンプルです。まずは以下のポイントを押さえて、相手の話を徹底的に聞きましょう。
【傾聴のポイント】
- 相手を大切な人として尊重して聞く
- 否定せず、話を遮らずに聞く
- 自分の意見、主張、コメントは脇に置いて聞く
- 思いや気持ちを汲み取りながら聞く
- 頷きや相槌を行いながら聞く
この時に、以下も大切にすると聞きやすくなります。
- 相手が話したいことを話してもらう
- 相手の心の中で何が起きているかに目を向ける
- 間を大切にする
- 会話のリズムを相手のペースに合わせる
など
相手が話したいことを、頷きと相槌を使って徹底的に聞きましょう。
その結果、相手が7割~9割、自分が1割~3割くらいの割合で話をするのが理想的です。
聞き上手のレベルが高まると、この方法だけで、1時間でも2時間でも話を聞き続けることができます。何よりも深い信頼関係を築けるようになります。
3-2.相手の言葉を返しながら聞く(バックトラッキング)
相手が使った言葉を返しましょう。以下の例のように、会話の中で相手が使った言葉を返すのがポイントです。
それにより、相手は自分の話を聞いてくれていると分かり、自己重要感が高まります。
【会話例1】
あなた:久しぶりだね。元気だった?
相手:元気だったよ。
あなた:元気でよかった。最近どう?
相手:(ありがとう)最近は、ヨガを始めたんだ!
あなた:いいね。ヨガ始めたんだ~。
相手:(そうそう)そうなの。すごく楽しいし、気持ちいいんだ。
あなた:そんなに楽しいし、気持ちいいんだ。
相手:(そうそう)そうなのよ。週1回は必ず通ってるんだ。
上記のように相手の使った言葉を返すだけで、括弧内の赤字のように、心の中で「YES」と答えた上で、話に乗っかることができるため、会話が盛り上がりやすくなります。
そして、真剣な話の場合は、以下のように話が深くなっていきます。
【会話例2】
あなた:久しぶりだね。元気だった?
相手:元気だったよ。いや元気じゃないな~。
あなた:元気じゃない?
相手:(うん)そうなの。最近は体調がいまいち良くなくて。
あなた:体調が良くないんだ。
相手:(うん)そうなの。色々あってね。ストレスかな。
あなた:ストレスだ。
相手:(そうなの)会社の人間関係で上手くいってなくてね。ちょっと辛いんだ。
あなた:辛い状態なんだ。
相手:(そうなの)うん。実は上司からパワハラを受けていてね。。。
このように話の内容が、どのようなテーマであっても、相手が使った言葉を返すことで、相手はより話しやすくなります。それは「会話を盛り上げること」「深めること」にもつながります。
例えば、以下のようにです。
【会話例3】
相手:(そうなの)会社の人間関係で上手くいってなくてね。ちょっと辛いんだ。
あなた:辛い状態なんだ。
相手:(そうなの)うん。実は上司からパワハラを受けていてね。。。
あなた:(頷きや相槌をしながら待ってあげる)
相手:毎日、頭ごなしに否定されたり、暴言を吐かれたりね。。。。
朝起きた瞬間から、会社に行くのが苦痛でね。。。
このように間を大切にしながら、傾聴し、相手の言葉を返すことで、より良い聞き手になることができます。相手はどんどん自分の話をできるようになります。
ただし、「心から聞く姿勢」が前提にあることが大切です。
以下に相手の言葉を返す際のポイントをご紹介します。
【相手の言葉を返すポイント】
- 事実や出来事を返す
- 相手の想い、気持ち、感情を返す
- 価値観や大切にしていることを返す
- 時々、話を要約する
非常に効果的ですので、ぜひご活用下さい。
3-3.肯定的な反応を返しながら聞く
相手の話に対して肯定的な反応を返しましょう。相手の話を受けて、あなたがどのような反応を返すかで、「相手の話しやすさ」が変わります。
自分の話に対して、興味を持って聞いてくれたり、笑顔で頷いてくれたり、真剣な表情で質問を返してくれると、誰もが肯定された気持ちになり、嬉しいものです。
その逆に、無反応、無関心、無表情、あるいは否定的な反応は、話しにくさを生み出します。
そこで、以下のような肯定的な反応の仕方がポイントになります。
【肯定的な反応の返し方】
- 頷きや相槌
- 表情(笑顔や真剣な表情など。口角や頬肉を上げると相手は話しやすくなります)
- 相手が使った言葉を返す
- 話の要約を返す
- 間を大切にする(待ってあげる)
- 身体を前のめりにする
- 驚く
- 感心する
- 肯定的な言葉、肯定する言葉を返す(さすが、素晴らしい、そうなんですね など)
- 共感する言葉を返す(わかります、私もです など)
など
傾聴と組み合わせることで、何倍もあなたのコミュニケーションを円滑にし、良い聞き手にしてくれます。
3-4.ラポールを築きながら聞く
ラポールとは信頼関係のことです。ラポールを築くと、初対面から始まる人間関係でも、相手はあなたに対して安心感、親近感、信頼感を感じます。
それにより、あなたに心を開き、円滑にコミュニケーションを行えるようになります。
つまり、良い聞き手であるために欠かせない要素の一つです。
人は自分に似ている人、共通点の多い人に対して、安心感、親近感、信頼感を無意識に感じるという「類似性の法則」が働いています。
この原理を使うための方法が以下になります。
【ラポールを築くポイント】
- 話し方を合わせる:スピード、リズム、テンポなど
- 声を合わせる:高さ、抑揚、強弱、声色など
- 表情を合わせる:表情、目、口角など
- 頷きや相槌を合わせる
- 姿勢や動きを合わせる:姿勢、ジェスチャーなど
- 呼吸を合わせる:呼吸のリズム
- 雰囲気を合わせる:落ち着き、穏やかさなど
など
ラポールを意識した瞬間から、明らかに聞きやすくなりますので、ぜひお試しください。
【出典・参照元】
- NLP-JAPANラーニング・センター : NLPプラクティショナー認定コース(講座、テキスト)
:https://www.nlpjapan.co.jp
- 日本コミュニケーション能力認定協会 : コミュニケーション能力認定講座(講座、テキスト)
:https://www.ca-japan.org
3-5.自己重要感を満たしながら聞く
相手の自己重要感を満たしましょう。聞き上手な人ほど、会話の中で相手の心を満たしていきます。人は自己重要感を満たしてくれる相手に、肯定的な反応を返し、心を開きます。
例えば、傾聴しながら以下の方法を使い、相手の自己重要感を満たしましょう。
【自己重要感を高めるポイント】
- 褒める
- ねぎらう
- 認める
- 肯定する
- 励ます
- 共感する
- 感謝する
など
相手の自己重要感が満たされるほど、それを見たあなたの自己重要感も高まります。そして非常に良好な人間関係を築くことができるようになります。
3-6.適切な質問をする
適切で上手な質問は、聞き手としてのあなたのレベルを何段階も高めます。
聞き上手の中でも質問が上手な人は、短時間で相手が心を開き、かなり深いレベルのコミュニケーションを取ることができます。傾聴との相性も高く、あなたのコミュニケーション力を格段に引き上げます。
それでは以下に、質問力を高めるメリットをご紹介します。
【質問力を高めるメリット】
- 短時間で相手に心を開いてもらえる
- 相手のことをより深く理解できる
- 相手が、自分の思考、感情、行動のパターンに気づくことができる
- 相手の思考や感情が整理される
- 相手は自分を客観視することができる
- 相手の課題や問題を深く掘り下げることができる
(コーチ、カウンセラー、セラピスト、コンサルなどの方は、特に必要になります)
など
それでは以下に質問の例をご紹介します。傾聴しながら使いましょう。
【質問の例】
- もっと詳しく教えていただいてもいいですか?
- 具体的には?
- それってどういうことですか?
- 今の話はこういうことですか?
- いつ?
- どこで?
- 誰と?
- それは誰が決めたんですか?
- 何と比較してそう思ったんですか?
- それは事実ですか?
など
「一つ聞いてもいいですか」「ところで」と前置きをしてから行うこともできますし、話の流れの中で自然に使うこともできます。
聞き上手の基本は、相手が話したいことを聞くことですが、もしもあなたがコーチ、カウンセラー、セラピスト、コンサルタントでしたら、話を方向づけるために聞くこともできます。
【補足情報】:質問の基本について
このような時によく使う質問はオープンクエスチョンといい、相手がどのようにも答えることのできる質問になります。この逆はクローズドクエスチョンといい、「YES」「NO」でしか、答えられない質問になります。
聞き上手ほど、2つの質問を使いこなしますが、基本的にはオープンクエスチョンを使うのがベストです。
3-7.相手が心地よく話せる方向から聞く
可能な限り相手の正面ではなく、横側について話を聞きましょう。正面の場合、人は無意識に緊張、圧迫、警戒心を持ちやすくなります。
それは正面同士の位置関係が、対立のポジションでもあるためです。
しかし横につくことで、同じ方向を向き、寄り添いながら話を聞くことができます。それは無意識レベルでも親近感や安心感となり、話しやすさを作り出します。
しかし、横側についたからベストというわけではありません。
実は人によっては右側から話しかけられるのが苦手、左側からは心地よいなど、感じ方が大きく変わります。
それは過去のマイナス体験やトラウマと関係しています。
例えば小さい時に両親に怒られる時、いつも右側(右耳の側)から言われ続けた場合、マイナスの感情と右側からの刺激が紐づいてしまいます。
そのため、右から話しかけられることに違和感を感じます。人によっては大きな嫌悪感を抱くこともあるほどです。
相手が心地よく話せる側から、話をすることが大切です。
そのための方法は以下になります。
【相手の身体の右側、左側のどちらにつくかを決める方法】
- 相手にどちらから話しかけるのが心地よいか、直接聞く
- 相手の反応を見て、どちらから話しかけられるのが心地よいか、確認する
シンプルですが非常に大切です。実はここまで意識できると、かなりレベルの高い聞き上手になることができます。
4.「話を中断する」:会話の方向がズレたり、長くなった場合に効果的なスキル
話を聞いている時、多くの人が経験するのが、「相手の話が止まらなくなる」。あるいは、「会話の方向が目的からズレていく」という経験です。
その時に役立つのが中断のスキルです。
相手の気持ちを否定することなく、マイナスの印象を与えることもなく、話を中断し、会話の方向を修正することができます。
それを可能にするポイントが以下になります。
【相手の話を中断するポイント】
- 会話の目的が明確な場合、会話の最初に目的を伝える
例えば営業であれば、「本日のこの時間は◯◯の為の時間になります」など - 場合により、話を中断することに許可をもらう
目的のあるコミュニケーションの場合は特に重要です。「もしも会話が別の方向にズレた時は、あなたの時間を有効に使うため、中断させていただくこともありますが、よろしいでしょうか?」など - 手を挙げる
相手が話をしている時に、ゆっくり自然に手を挙げると、相手の意識をこちらに向けることができます。 - 提案する
「ところで」と伝えた上で「一つご提案をしてもよろしいでしょうか?」と許可をもらった上で、提案をして会話の方向を修正する。
など
このように相手を否定することなく、話を中断することで、相手のために最適なコミュニケーションを取ること、良い聞き手であることができます。
5.自分のコミュニケーションに責任を持つことで、聞く能力が飛躍する
聞き上手な人に共通した考え方は「責任」です。
相手の反応は自分の関わり方の結果だと受け止め、思うようなコミュニケーションが取れなかった時は、自分を振り返り改善をします。
それは自分の関わり方が、相手の心を動かした結果だと考えるからです。
例えば、相手が以下のような反応をする時があります。この時に聞き上手ではない人は、相手の反応は自分のせいではなく、相手の捉え方の責任だと考えます。
- 心を開いてくれない
- 信頼してくれない
- 機嫌が悪くなる
など
具体的には以下のような考え方、捉え方が、決定的な違いを生みます。
【聞く能力を飛躍させ、高め続けるポイント】
- 相手の反応を自分の責任と考える
- 相手の反応から学ぶ(課題と改善点を見いだす)
- 同じ失敗を繰り返さないと考え、次に活かす
- 明らかに相手自身に問題がありそうな場合でも、一度、自分の問題として考えてみる
など
そして、課題や改善点を明確にするための質問を以下にご紹介します。
【課題や改善点を明確にするための質問】
※以下の質問に答え、メモをしておきましょう。
- 何が相手の心を動かしたのか?
- どうして、このような反応が起きたのか?
- より話しやすい状態を作るために、何が必要か?
- 次回、同じような状況になったら、どのように考え、どう行動するか?
など
大きな違いが出ますので、自分ごととして相手の反応を受け止め、改善していきましょう。
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まとめ
聞き上手は、「相手に寄り添い、肯定しながら、相手のために良く聞き、気持ちを想像し、自分ごとのように感じられる」人です。
それにより相手は聞き手に対して、「話しやすいと感じ、信頼し、心をオープンにして、心地よく何でも話せてしまう」という肯定的な状態になります。
そのために必要なことは、「心から聞く技術」「心から聞く姿勢」です。
そのために必要なポイントを、考え方と方法の視点でご紹介しました。他では知る機会のない情報もお伝えしていますので、ぜひ必要な部分を読み返しながら、実践していきましょう。
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