2024/08/16

1on1とは?部下との信頼を築くための実際に使える質問例と注意点

1on1とは?部下との信頼を築くための実際に使える質問例と注意点

近年、社員の成長を
促すことができる方法として

1on1を導入している企業が
増加していることをご存知でしょうか。

昨今の凄まじい時代の変化にも
対応するために、

企業にとって社員の成長は
不可欠であり急務です。

この記事では、
コミュニケーション教育の専門機関である
コミュニケーション能力認定協会が、

社員のモチベーションを上げる秘訣や
成長を促進させる1on1について、
企業例や質問例をふまえてご紹介します。

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1.1on1とは?

1on1とは、上司と部下が定期的に1対1のミーティングを行うことを指します。

1on1は、評価面談とは違い、部下の成長促進やモチベーション向上、悩みや今後のキャリアなどについて、サポートするために行います。

評価面談では、主に上司が部下に対して話すものというイメージがあるかもしれませんが、1on1では、部下も悩みやキャリアについて上司に話します。

実施の時間としては、定期的に15分〜30分で行うのが一般的とされています。

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2.1on1が注目されている理由は時代の変化

1on1は社員の成長意欲の促進などの理由から、多くの企業から注目されています。

しかし、注目されている理由は他にもあります。それが時代の変化です。

現代は時代の流れがとても速く、働き方やキャリアも多様化しています。

キャリアが多様化すると、その分選べる選択肢も多くなり、悩んだり迷ったりすることも増えます。

中には、大企業に入社したはいいものの、

「成長を実感できない」

「このままでは将来が不安」

と、数年で転職をされる方も増えているそうです。

もしかすると、会社の中で今後のキャリアについて悩みを抱えている方が多くなってきていることを、あなたもすでに実感されているかもしれません。

こうした背景もあり、部下と個別に話すことによって悩みを解決したり、上司として部下の状況を確認することがとても重要と考えられています。

そして、1on1ミーティングを行うことで、キャリアを明確にすることにつながり、離職防止の効果も期待されています。

3.1on1を導入してる企業の事例

ここからは、企業の事例を含めながら紹介します。

3-1.ヤフー株式会社

ヤフー株式会社が2012年と、早い段階から1on1ミーティングを導入して注目を集めました。

ヤフーでは、「上司が部下の主体的な内省を促す」ことを目的として行っており、週に1回30分間、部下の話を聞きます。

ヤフーの1on1のベースとなっているのが、次の2点。

  • 経験や失敗だけでなく成功の原因を深掘りするアプローチ
  • 社員に期待していることを積極的に伝える

これらをベースとして行い、部下自身がまだ気付いていない潜在能力を引き出すために1on1を行っています。

人手不足も社会問題になっている現代において、企業が社員の能力を伸ばすことは必要不可欠です。

また、上司と部下のコミュニケーションを取ることによって、業務でコミュニケーションのミスが少なくなり、業務の効率化などに繋がるかもしれません。

参考:「1on1ミーティング」で強い組織をつくる 人材育成のための部下とのコミュニケーション - Corporate Blog - ヤフー株式会社

3-2.楽天グループ株式会社

楽天グループ株式会社では、勝てる人材、勝てるチームを作るために2017年に1on1を導入しました。

目的としては、次の2点です。

  • 相互理解・相互信頼の形成
  • 定期的なフィードバックによる成長支援

これらを目的として、マネージャーとメンバーの間で定期的に1on1を行っています。

また、マネージャーに対して1on1研修を行っており、傾聴やティーチング、コーチングなど、適切なフィードバック方法を学ぶことが出来ます。

成長を促す支援を会社として行っていることも特徴的です。

こうした施策があることで、多様なバックグラウンドを持つ社員が、能力を発揮しやすいような環境作りを可能にしているのです。

このような効果から楽天グループでは、従業員の95%が1on1に満足しているといった結果も出ています。

参考:Corporate Topics:「1on1ミーティング」が生み出す、楽天流・コンピテンシー開発

4.1on1を実施することで得られる3つのメリット

ここまでは1on1が注目を浴びている背景を企業事例も交えて紹介しました。

ここからは1on1を行うことによって、どのようなメリットがあるのかを3つご紹介します。

4-1.部下と信頼関係を築くことができる

1on1を行うことによって得られる非常に大きなメリットとして、部下との信頼関係を築くことが挙げられます。

今の時代はコミュニケーションを取る機会が徐々に減っており、信頼関係の構築が課題の1つとされています。

コミュニケーションの量が少ないとお互いが 、

「このくらいは知っているだろう」

「これは言わなくても大丈夫だろう」

など、思い込みで仕事を進める可能性も高まります。

結果、上司と部下の間で認識の違いが生まれたり、コミュニケーションエラーとして問題につながってしまうのです。

1on1では仕事についての話ももちろん行いますが、それに加えプライベートのことまで幅広く話をします。

業務だけでなく幅広く会話をすることで、部下の価値観など知ることができ、また、部下も上司への理解が深まります。

このように、幅広い会話からお互いを知ることで、コミュニケーションエラーを防ぐことや信頼関係を築くことに繋がるのです。

1on1の効果を更に高めたい場合には、聞く力・伝える力・質問力など、

コミュニケーション能力を高めることによって会話の質も向上し、1on1の効果も比例して高まっていきます。

4-2.部下の成長意欲を促進する

1on1を実施することで、部下の成長意欲を促進するメリットも期待できます。

1on1では主に、上司が部下の悩みなどを聞くため、部下は自分の失敗した体験などを振り返ります。

振り返ることによって、自分自身がどのようなパターンで仕事をしているか、また、自分が取り組むべき課題は何なのかなどを気づくきっかけにすることができます。

課題に対しても、上司から言われて取り組むのではなく、自分で気づいて取り組むようになるので、モチベーションに明らかな差が生じます。

また、部下が上司に自分の改善ポイントを聞くこともできるため、求められている方向にむかって正しく努力をすることが出来ます。

上司と部下の間ですり合わせることで、部下自身も求められていることや今後の方向性が明確になるため、成長意欲の向上に繋がるのです。

4-3.上司のマネジメント力向上

実は、1on1を行うことで、上司のマネジメント力を向上させるというメリットもあります。

部下と定期的に会話をすることで、

  • 周りを見る目線
  • 話を引き出す力
  • モチベーションを管理する能力

など、マネジメントに関する能力を身につける絶好の機会になります。

また、1on1では、部下から悩みや不満を引き出すために、上司の質問力や伝える力などのコミュニケーション能力が必要になってきます。

そのため、コミュニケーション能力を高めるきっかけにもなります。

こうして、1on1により、上司のスキルを向上するきっかけが作れることも大きなメリットの一つです。

5.1on1の注意点

1on1を行う際には、注意すべき点もあります。

これから紹介する注意点に注意しながら行うことによって、効果を最大化することができます。

5-1.部下の話を傾聴する

1on1は評価面談と違い、一方的に伝えるのではなく、部下からの話を聞くようにします。

そのため、上司が部下に一方的に伝えたいことを伝えるだけの時間になることは避けましょう。

1on1は部下のための時間です。

部下の話を聞きフィードバックすることで、部下の成長促進やモチベーション向上をします。

仕事についても話すようにしますが、仕事以外の話もするように意識し、最後まで部下の話に耳を傾けるようにしましょう。

コミュニケーションのテクニックとして、うなづきや相槌を適度に行ったり、部下が話したことを繰り返すバックトラッキングなど

コミュニケーションスキルを使うことで、より部下が話しやすくなる環境を作ることができます。

1on1では特に、傾聴が鍵となることに注意しましょう。

5-2.部下が話しやすい環境を整える

1on1では、部下がいかにリラックスしてたくさん話をしてくれるかが大切になってきます。

もし、部下が話しにくい雰囲気や環境を作り出してしまうと、1on1の効果はあまり期待できません。

周りに他の人がいない場所で行うようにし、安心して話せる環境を整えましょう。

そして部下が話しやすくなるように、話の腰を折らないように気を付け、共感したり相槌を打つなど傾聴を意識していきます。

話を自然と引き出すような質問力を鍛えることも効果的です。

5-3.お互いの理解を深められるテーマを選ぶ

1on1では、話題を限定せず、幅広く話をすることによって、部下の成長促進や悩みを解消することができます。

そのため、上司が話のテーマを絞って話をしてしまうと、効果が下がってしまいます。

また、上司が部下の理解を深めるだけでなく、部下も上司に対する理解を深められるような話題をテーマに選んでいきましょう。

例えば、価値観を知ることができるような話題が効果的です。

話題の例

  • モチベーションについて
  • 人間関係について
  • キャリアについて
  • 業務について

表面的な会話で終わることのないよう、そして、お互いがお互いのことを知ることができるようにするために、話のテーマは絞らないようにしましょう。

6.1on1でのテーマ・質問例

ここからは、実際に1on1を行う際に使える話題のテーマと、具体的な質問例をご紹介していきます。

6-1.モチベーションについて

部下が自ら進んで業務にあたるようになるためには、部下のモチベーションに関わる価値観を知る必要があります。

そのため、上司の目線から見た仕事を行うときの姿勢や結果を褒めつつ、

本人がどう考えて仕事に取り組んでいるのか、モチベーションの変化について質問することが有効です。

質問例

  • 最近うまくできた仕事は?
  • 今の業務でやりがいを感じる時はどんなとき?
  • 〇〇のときとても良かったけど、何かいつもと変えたの?

このような質問を投げかけることで、どのようなときにモチベーションが向上するのか、本人が気づくことも可能になり、

上司にとっても今後の関わり方のヒントになる気づきを得ることができるでしょう。

6-2.目標について

部下の目標を確認しつつ、部下が間違った努力をしないよう、組織の方向性を伝えることが大切になってきます。

部下の立てた目標が、組織の求める方向とズレてしまっていたら、残念ながら評価には繋がりません。

そのため組織の方向性を伝え、正しい努力が出来るようにサポートしていきます。

質問例

  • 将来どんな人になりたいのか?
  • 来年どんなことを達成していきたいか?
  • 今年1年、何に挑戦していきたいか?

まずはこのような質問を用いて、部下自信が将来どうなりたいかを考えられるようにしていきます。

そのうえで、目標についてすり合わせを行っていきましょう。

6-3.キャリアについて

部下の今後のキャリアビジョンを、対話を通して明確にすることは大切です。

部下は、キャリアビジョンを明確にすることで、どの方向に努力をすれば良いのか、どのように成長していけば良いのかが明確になります。

1on1を通して部下がキャリアビジョンについて考えるきっかけを与えるようにしましょう。

自分の気づけていなかったビジョンを見つけるきっかけを与えることができれば、信頼関係も深まっていきます。

キャリアについては、自身が大切にしているものはなにかなど自己分析について考える機会を設けましょう。

質問例

  • 自分の強みを仕事にどのように活かしたら良いと思う?
  • どんなキャリアビジョンを描きたい?
  • どんな仕事にやりがいを感じる?

このような質問をすることによって、部下が自己理解する機会を与えるように意識しましょう。

6-4.業務について

業務について話し合うことによって、部下の悩みや会社の改善すべき点が見えてきます。

部下の悩みを聞くことによって、部下は気持ちを楽にすることができ、前向きに頑張ってくれるようになることでしょう。

また、アイディアを持っているのに、言い出せないケースもあるかもしれません。

業務に対するアイディアや意見も、1on1の場で確認をしていきましょう。

もし、部下の話から会社の仕組みや制度に問題があると判断した場合には、会社全体で共有し改善することで、社員の離職率軽減にも繋がります。

質問例

  • もっとこうした方が良いんじゃないかと思っていることある?
  • チームで改善できることある?
  • 業務で行き詰まっていることある?

上記の質問をすることによって、部下が悩みや不満を打ち明けてくれるかもしれません。

ぜひこのような質問をし、悩みや不満に寄り添うようにしましょう。

6-5.人間関係について

人間関係が良好になると、仕事をスムーズに進められるようになります。

部下が力を発揮しやすいよう環境を整えることも上司の大きな役割です。

そのためにも、部下の人間関係が良好なのかどうなのかを把握することが必要になってきます。

また、会社での人間関係のトラブルを未然に防ぐためにも大切になります。

質問例

  • 人間関係で困っていることない?
  • 苦手な人とかいない?
  • 仲がいい人は?

上記のような質問をするようにし、部下の人間関係について把握するようにしてみてください。

コミュニケーション能力2級認定講座

最後に

部下のために行う1on1は、上司の質問力やコミュニケーション能力が高ければ高いほど、より効果的に行うことができます。

1on1を行うに当たり、多くの部下を持ち、忙しい上司の方は時間がもったいないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、1on1を行うことによって部下の成長促進に繋がり、優秀な人材が多い会社に成長し、よりよい企業に成長することができるのです。

そのため、時間が少ない中でも行うことにより、会社の成長に繋がります。

他にも、この記事ではコミュニケーション能力や質問力が大切とお伝えしましたが、コミュニケーション能力は一朝一夕で身につくものではありません。

だからこそ、コミュニケーションの本質を学び、実践を繰り返していくことで着実に伸びていくスキルです。

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1対1のコミュニケーションでは、今回の1on1でも活かせますし、1対多では、多くの部下をまとめるときなど多くの場面で役立ちます。

もし、コミュニケーション能力を高めたいとお感じでしたら、

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